『ヘレディタリー/継承』ネタバレ解説と考察。15の伏線を完全解析します♪

アリ・アスター監督の傑作ホラー映画『ヘレディタリー/継承』。

ホラー映画が大好きすぎる友達におすすめされて、上映終了間際に劇場に行けて本当によかったです。。

なぜって、このホラー映画、本当に、めちゃめちゃ面白かったから。。。

観終わった瞬間は、正直私も、

ちえまが編集部
は?

って感じでした(笑)

何がどう面白かったんだ、と。(笑)

でも、面白い映画の面白さが分からないって、なんかモヤモヤするじゃないですか…。

すぐに「ヘレディタリーはなぜ面白いのか?」について、とことん調べまくりました。

すると、、

  • ただのB級ホラー映画じゃない、伏線の数々。
  • 2回目に見るとさらに面白い、爽快なストーリー展開。
  • ホラー映画なりに、なぜ怪奇現象が起こるか明確な理由がある。
  • 伏線を理解して初めて感じる、強烈な絶望感。

こういう巧みな要素が、B級映画を優に超えて、A級ホラー映画に仕立てているんだと気づきました。。

  • エクソシスト
  • シャイニング
  • リング

のような名作ホラー映画に、まったく引けを取ってません。

最近だと、リメイク版『IT』もかなり良作でしたが、ITはホラー要素のある「青春映画」でしたよね。

『IT/イット』映画パンフレット内容紹介【それが見えたら、終わり。】

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2019年7月31日

他にも、

  • エイリアン…ホラー×SF
  • シャイニング…ホラー×サイコ・サスペンス

などなど、他ジャンルを組み合わせた良作ホラー映画は、けっこうあったりします。

でも『ヘレディタリー』って、純粋なホラー映画なんですよね。

過去の名作に引けを取らず、この時代に純粋なA級ホラー映画が生まれること自体が、私は奇跡にすら感じられてしまうわけです。

……

ちえまが編集部
前置きが長すぎますね

映画の最序盤から終盤までたっぷりと張られていた、

  • 悪魔『ペイモン』について
  • 祖母エレンの謎の行動
  • “コッ”と鳴るクリッカー音の秘密

などなど、全部で15種類もの伏線をもれなく解説していきます♪

ネタバレ解説1.悪魔『ペイモン』は実在する。

ヘレディタリー/継承

ヘレディタリーに登場する、メインの悪魔『ペイモン』。

実はペイモン、映画のために創られた架空の悪魔ではなく、実在(?)するノンフィクションの悪魔なのです。

映画に映ったペイモンの紋章

ヘレディタリー/継承

ペイモンの紋章(Wikipediaから引用)

ヘレディタリー/継承

ペイモンという名前は、ヨーロッパ地方の魔術書に記述されている、らしいです。

「実在する」と言うと、実際にいるようなニュアンスですが、どうなんでしょうね。(笑)

ちえまが編集部
悪魔がいるかどうかの証明は置いといて、ヘレディタリーには本当にいそうなリアリティがありますよね。

ネタバレ解説2.ペイモンはどのタイミングで解放されたのか?

ヘレディタリー/継承

映画序盤(なんなら映画の時間軸以前)から、ペイモンはずっと外に出ようとしていました。

ペイモンが解放されたタイミングは、自宅で降霊術を行った時です。

この瞬間から、ペイモンによる超常現象が一気に加速していくのが分かります。

解放されるまでのペイモンは、一体どこにいたのか?

ヘレディタリー/継承

降霊術によって解放されるまでのペイモンは、娘「チャーリー」の体内に囚われていました。

下でも解説しますが、

  • 舌を”コッ”と鳴らす、クリッカー音
  • 死後に見える、チャーリーの幻影

これら超常現象の多くがチャーリーに関係しているのは、チャーリーとペイモンに何らかのつながりがあることを暗示しているためです。

ネタバレ解説3.実在する(?)降霊術、チャーリーゲーム。

ヘレディタリー/継承

チャーリーという名前は、メキシコ発祥の降霊術「チャーリーゲーム」に由来しています。

チャーリーゲームとは?

  1. 決められた準備を済ませる。
  2. 参加者全員で「Charile, Charile, Are You here?」と唱える。
  3. 事前に準備していた物が、独りでに動く。

これが、オーソドックスなチャーリーゲームのやり方。

ゲームの最後に、

Charlie, Charlie, Can we stop?

と言って霊が帰ったことを確認しないと、降臨した霊に乗り移られると言われています…。

ヘレディタリーにおける降霊術は、このチャーリーゲームが上手く噛み合っています。

適当な霊ではなく「チャーリー本人を呼ぶ」という展開にしたことで、本当か嘘か分からない降霊術にリアリティを持たせています♪

ネタバレ解説4.チャーリーが「生まれた時でさえ泣かなかった」理由。

ヘレディタリー/継承

母アニーのセリフに、

あなた(チャーリー)は生まれた時でさえ泣かなかった。

というセリフがあります。

生まれた瞬間から一度も泣かないのは、病気だったり衰弱していない限り不自然ですよね。

これが示しているのは、チャーリーの異常性。

すなわち、チャーリーが生まれた時からペイモンは体内に宿っていたということを暗示しています。

ネタバレ解説5.チャーリーが鳴らす”コッ(クリッカー音)”の秘密。

ヘレディタリー/継承

チャーリーが舌を使って”コッ”と鳴らす、クリッカー音

この癖も、母アニーがどれだけ止めさせようとしても無駄なのです。

なぜなら、このクリッカー音もペイモンが宿っている暗示だから。

ちえまが編集部
単なる癖じゃないの?

と思った方。

ペイモンが解放され、ピーターに乗り移ったときを思い出してください。

チャーリーと同じように、ピーターも”コッ”とクリッカー音を鳴らしています。

この演出から、クリッカー音は単なる癖ではなく、ペイモンの存在を示すメッセージということが分かります♪

ネタバレ解説6.生後すぐにピーターが狙われなかった理由。

ヘレディタリー/継承

映画を観て分かる通り、ペイモンは(直系の)男性に乗り移る悪魔です。

ちえまが編集部
それなら、ピーターが生まれた直後に乗り移ればよかったんじゃ……?

と、私も最初思ってました。

映画の中で乗り移れない理由を言ってたのに…。

生後からずっとピーターに乗り移れなかった理由とは、祖母エレンに不干渉ルールが設けられていたため。

このルールのせいで、エレンはピーターに近づくことさえできず、ペイモンを宿すことができなかったのです。

だからこそエレンは、チャーリーにず~っと、

男の子になってほしい。

と言い続けていたのです…。

ネタバレ解説7.「男の子になってほしい。」

ヘレディタリー/継承

祖母エレンが、チャーリーに「男の子になってほしい。」と言っていた理由。

これは、チャーリーが男になりさえすれば、ペイモン降霊条件(直系の男性に宿すこと)を満たすことができるから。

  • 性転換すれば降霊できるのか?
  • 本人が「自分は男だ」と認識すればいいのか?

この辺りは定かではありませんが、

  • 家族が不干渉ルールを設けた理由
  • エレンの本気度
  • エレンの異常性

などを察することができますね…。

ネタバレ解説8.首吊り自殺をした「兄」の存在もヒントだった。

ヘレディタリー/継承

序盤にサラッと語られる、兄チャールズの存在も、重要な伏線です。

チャールズは、

母さん(エレン)は、自分の中に何かを招き入れようとした。

という遺書を残し、首吊り自殺をしています。

この”何か”とは、もちろんペイモンのことですね…。

ネタバレ解説9.直系でない父スティーブは、ペイモン召喚に邪魔な存在だった。

ヘレディタリー/継承

ペイモンの宿主は、血のつながった(直系の)男性である必要があります。

この一家でいうと、

  • チャールズ
  • ピーター

この2人。

ヘレディタリー/継承

King Paimon is a male, thus covetous of a male human body.
(ペイモンは男性である、したがって人間の男性の体が必要である。)

スティーブは、男性ですが直系の子孫ではありません。

スティーブは降霊条件を満たしていないことから、チャールズとピーターが狙われることになります。

最後まで理性的だったスティーブは、ペイモン降臨の妨げになるため焼殺されました…。

ちえまが編集部
ホラー映画って、一番のしっかり者が一番気の毒な目に遭いますよね。。

ネタバレ解説10.女性の頭を捧げることが、ペイモンの召喚条件?

ヘレディタリー/継承
  1. 祖母エレン
  2. 母アニー
  3. 娘チャーリー

この3人とも、ペイモン降霊時「頭が無くなる」という共通点がありました。

直系(?)の女性の頭を捧げることも、ペイモン召喚条件の1つだった可能性が考えられます。

ネタバレ解説11.偶然ではなかった、チャーリーの自動車事故。

ヘレディタリー/継承

自動車事故によるチャーリーの死は、ペイモン信者による呪いでした。

事故のシーンに映る電柱をよ~く見ると、ペイモンの紋章が描かれていることが分かります。

ちえまが編集部
これは明確な描写があって、比較的分かりやすかったですね。

ネタバレ解説12.アニーが作るミニチュアは、理不尽さの象徴。

ヘレディタリー/継承

アニーが熱心に作り続けている、精巧なミニチュア。

このミニチュアは、私たち観客に理不尽さを伝える暗喩(メタファー)として描かれています。

ミニチュアから読み取れるメッセージ
ヘレディタリー/継承
  1. アニーたちは、外界(悪魔や超常現象)の支配を受ける運命にあること
  2. 外界からは、ミニチュア(アニーたちの世界)を思うままに操れること
  3. こちらからは、外界に一切手出しできないこと

この「超常的な支配」を表現することで、ヘレディタリーのテーマでもある『理不尽さ』を象徴しています。

ちえまが編集部
降霊させないことが、一家が(一応)助かる唯一の道でした。

この映画、どうあがいても絶望です…。

ネタバレ解説13.壁に書かれた文字の謎。

ヘレディタリー/継承

物語中盤に映る、壁に書かれた無数の文字。

壁に書かれた文字(一部)
  • Satony(サトニー)…死者と交信するための言葉
  • Zasas(ザザス)…悪魔「コロンゾン」を呼び出す時の言葉

ペイモンの映画に、なぜコロンゾンが出てくるかは謎。

ネタバレ解説14.ペイモンの勝ち誇った笑み。

ヘレディタリー/継承

ピーター本人の表情と異なる、ガラスに映るピーターの不敵な笑み

このシーンは、ペイモンがピーターに乗り移った直後。

ペイモンが勝ち誇ったことを見せつける、勝利の笑みにも見えますね…。

ネタバレ解説15.ピーターに被された「王冠」。

ヘレディタリー/継承

この世に降臨したペイモンは、王冠を被った姿で現れるとされています。

信者が、

  • ペイモンを讃えるため
  • ペイモン降臨を象徴するため

ピーターに王冠を被せたところで、映画は終了します。

ペイモンは、ついにこの世に降臨してしまいました。

理不尽さをテーマにした『ヘレディタリー』らしく、完全にバッドエンドです。(笑)

まとめ

伏線と疑問 答えと解説
悪魔『ペイモン』は実在する。 ヘレディタリー/継承
ペイモンはどのタイミングで解放されたのか? 降霊術直後。
実在する(?)降霊術、チャーリーゲーム。 メキシコ発祥の降霊術。
チャーリーが「生まれた時でさえ泣かなかった」理由。 チャーリーが生まれた時から、ペイモンが体内に宿っていたから。
チャーリーが鳴らす”コッ(クリッカー音)”の秘密。 ペイモンが宿っている暗示。
生後すぐにピーターが狙われなかった理由。 不干渉ルール。
「男の子になってほしい。」
  • 祖母エレンの異常性を示す
  • 不干渉ルールを設けたきっかけとなる
首吊り自殺をした「兄」の存在。 「母さんは、自分の中に何かを招き入れようとした。」
直系でない父スティーブは、ペイモン召喚に邪魔な存在だった。 焼殺。
女性の頭を捧げることが、ペイモンの召喚条件? 直系の女性全員の頭が無くなり、儀式で捧げられていたことから。
偶然ではなかった、チャーリーの自動車事故。 ヘレディタリー/継承
アニーが作るミニチュアは、理不尽さの象徴。
  1. 外界(悪魔や超常現象)の支配を受ける運命にある
  2. 外界からは、ミニチュア世界を思うままに操れる
  3. こちら(ミニチュア世界)からは、外界に一切手出しできない
壁に書かれた文字の謎。
  • Satony(サトニー)
  • Zasas(ザザス)
ペイモンの勝ち誇った笑み。 降臨成功を示す勝利の笑み。
ピーターに被された王冠。 降臨したペイモンは、王冠を被った姿で現れる。
  • 悪魔召喚にも、映画(フィクション)なりの確立された方法と根拠がある
  • 上映開始直後から結末まで、伏線が張られまくる
  • 張りまくった伏線を、ほぼすべて回収する

ストーリー的には、完全にバッドエンド。

ですが、伏線が明らかになった瞬間の爽快感は、どの良作ミステリー映画にも劣りません。。

それでいてヘレディタリーは、

  • エクソシスト
  • アナベル
  • リング

と同じ系列の、王道ホラー映画でもあるわけです。

私の中の『ヘレディタリー』は、ホラー映画の中でもトップ3には入る傑作です♪

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